ヒアリング力1(顕在ニーズ)
営業・販売において、このヒアリング力は必要不可欠な力です。なぜならば相手のニーズを的確に聞くことができなければ、相手が満足する提案もできません。 例えば、登山にいくための買い物に来たとします。山にいくという人に対して 「お客様、実は、いい海パンが入ったのですがいかがでしょうか。プレゼントにもいいですよ」 山にいくといっている人に、もし、こんなプレゼンをされたら、こう言うでしょう。 「は!?」 私でも同様です。きっとこれを読んでくださっている皆様もそうでしょう。実際にこんな店員はいないと思いますが、わかりやすい例として出してみました。つまり、しっかりニーズをヒアリングをして、理解・把握していないといかに商品が良くてもお客様のニーズにあわず売れないということです。
ヒアリング力といっても何をきけばよいのかに関しては状況によって様々ですが、先ず、競合は考えず、買う意思は決まっているが、どれにしたら良いのかわからない。例えば、家族で使えるようなトヨタの車を買う事は決まっているこうした場合のヒアリングから解説していきましょう。
顕在的ニーズのヒアリング
営業・販売の世界では、買いたい、契約したいとうニーズが明らかになっている場合、「ニーズが顕在化している」という表現をします。営業未経験者にとっては顕在化ニーズの対応が一番易しく、成功体験を積みやすいケースをなります。では、何を聞いたらよいのでしょうか。基礎中の基礎から解説して参ります。
6W3Hのヒアリング
高校の社会と情報で5W1Hは習うと思いますが、社会に出るとこれが、企画書、報告書作成、商談をまとめる際など様々な場面で使われますが、復習とWとHはどのように後に関係してくるのか、トヨタ車の購入をすると仮定してご紹介します。 ◆お客様のニーズ◆現在セダンのカムリを乗っている。4人家族で、免許は父母が持っている。年子の2人の子どもがいて、小学校高学年、二人とも習い事やスポーツをやっていて送り迎えもあるし、実家の両親の体が弱ってきたので、時々、病院などに連れて行かなくてはならないが、乗り降りが大変になってきているので、買い替えを考えているが何が良いかわからないので、以前買ったディーラーに相談に来た。
WHO(誰が) WHOM(誰と、を、に)WHERE(どこで) WHEN(いつ)、WHY(なぜ) WHAT(何を、の) HOW(どのように)HOW MANY(量) HOW MUCH(予算)
業界や商品によってはこれ以外をヒアリングしたり、逆に聞かなくても良い場合もあると思いますが、大抵は6W3Hをベースにヒアリングし、このニーズを満足させられる商品をマッチングできれば、販売側は提案商品とその理由などセールスのアウトラインは見えてくると思います。ではやってみましょう。
WHO,WHOM誰が・誰と、をから考えられること(運転するのは父母が運転できるもの、主に乗車するのはこれから育ち盛りの10代の子供と病気がちの老人なので父母が運転できる車で子供は育ちざかりなので大人二人が増えると考えながらも、乗り降りに足腰に負担の少ない車) WHEREどこで乗るのか使用エリア(主に近場の実用的な使用になるので特に燃費などは特に気にしておらず運転のしやすさが求められる) WHY(なぜ買い替えるのか)前述の通り WHEN(いつ買うのか、使うのか)日常的な使用なので運転のしやすさ、安全性能の高い車があうであろう、購入タイミングは急いてはいないが、現在の車で不便を感じているのでできるだけ早く買い換えたいはず) WHAT(ここまでの情報では、ミニバンが適していると考えられるが具体的使用についての深堀が必要)HOW MUCH(予算)(1台なのでMANYは割愛し予算は200~300万)HOW
私は現代の車のことは詳しくはありませんが、私が知っているトヨタの商品知識の範囲内でいえば、ヴェルファイア、ノア、ヴォクシー、ルーミー、シエンタ、イノーバ、アバンサあたりが候補です。しかし、ヴェルファイアの価格が450万以上なので除外されるため、ノア、ヴォクシー、ルーミー、シエンタ、イノーバ、アバンサとなります。車に拘りがある人は実用性を度返しして直観や感性で選ぶこともあるのでこのラインナップが全てではありませんが、ヒアリングしながら候補を絞っていきます。この事例では物販で有形商品のケースを挙げましたが、こうした競合のない、買うと決めたお客様の顕在化ニーズを成約に至らせるには6W3Hが基本となります。
翻りますが、営業という職業を選択する場合大きく3つの選択肢があり、それによってヒアリングや販売技能の順番が変わることがあります。 ◆営業という職業選択の際の3つのポイント 1.お客様が法人か個人か 2.お客様は新規顧客なのか既存顧客なのか(既存には新規プラスも含む) 3.商品が有形か無形か
※車の例では、個人相手(法人もありますが今回は個人)で既存顧客で(今回は既存ですが新規来店もあり)、商品は有形ということになります。
少し話がそれますが、弊社にお問い合わせいただいた方から「どんな営業が良いのか」という質問がありましたが、それはご本人がどうしたいのか(意欲、社会及び営業経験、ビジョン等)によります。
もし、営業未経験で不安だけど挑戦したいという方なら、個人相手(マナー含め高卒または人に接する仕事の経験がない初心者には法人はハードルが高い)既存顧客(新規営業はプレッシャーもありマネジメントも厳しい中、自立及び自律しながら取り組まなければならない)有形商品(商品を目の前にして話ができるので説明がしやすく、相手も理解しやすい)がお薦めですが、一方で土日が連続で休めない、販売力の幅が広がらないというデメリットもあります。
逆に営業経験者や大卒者で適性があれば、無形商品で新規既存・法人個人は拘らずにすると選択肢は広がります。 有形・無形商品の違いについて触れておきますと、有形商品は目に見えるものなので、お客様と商品を見ながら理解、価値の共有・提供ができます。しかし、ニースを変化させることが難しくなります。例えば、ボールペンの販売を企業にしている営業の場合、顧客の社内では、一人一台PC貸与のペーパレスなので必要ないといわれればそこで簡単に終了してしまいます。(販促グッズの提案などもありますが、別の仮説想定アプローチと多様な商品アイテムが必要)※関連してタバコを吸わない人にタバコを売る方法を思いつくような発想力をお持ちならいきなり無形でもいいかもしれません・・・・・
一方、土地活用の不動産営業のような無形商品の場合、例えば、空いている土地をみつけ、地主に一戸建て販売の話を持ち掛けるもが断られた場合、マンション経営、ビル経営など資産運用という提案に変えることができます。
もう一つ、無形商品営業の例で、採用の適正検査などの場合は、一回あたりの検査料金やソフトの販売などもあるでしょうが、目線を採用という使い方ではなく、現在の社員に受けさせ、その会社の優秀な人材のコンピテンスを知ることから採用人物像の策定や戦略戦術の立案やタレントマネジメント等の組織開発に活用することも可能です。 つまり、現在取引している商品の視点を変えれば多様な提案ができ、WINWINな関係が成立すれば社会貢献ややりがいなどにも通じていきます。従って、営業経験がある人や課題解決型・ワンストップ営業・コンサルなどに興味のある方々にとっては、営業自体も面白く、社会貢献味感も味わえるので、モチベーションに繋がっている人も少なくありません。
おまけで、求人広告であれば
いつまでに、何人、どのような人を どこで、どのような方法で、予算、なぜ、など無形商品の場合だと6W3Hの順番や内容に拘らずヒアリングしていくことも出てくることもあります。あとは、こうした項目ごとに深堀していくのですが、その詳細はヒアリング2でやるとして、最低限こうしたヒアリング項目を聞いていけば求人広告の場合でも顕在ニーズだけならまとめることができるということです。
次は、ヒアリング2の潜在的ニーズについてです。