4.転移力(販売力の高いメンバーの要因を掴み自分なりに転移し活用する力)
ここまでマーケットに関する情報活用やた顧客との関係性や状況においての整理などの情報活用について述べてきましたが、実績を上げているメンバーの成果や要因、例えば、行動、思考、スキル、知識等を洞察(本質をみること)し自分でもできることを発見する、または、できるようにアレンジして販売力を高め実績をあげられるようにする力を指します。
例えば、車の営業で、お客様の顕在化しているニーズを取りまとめるだけなら、自社商品の知識や手順を覚えるだけで誰でもできます。具体的には、ご来店のお客様の購入したい車の車種、色、大きさ、予算など表面化したニーズまとめるだけで良いのです。
しかし、その店舗で売れている営業マンはオプション販売が多かったり、希望していた車のワンランクアップの車種の提案に成功していました。販売力の高い営業マンと自分との差はなんなのか・・・・・
この辺は販売技能で詳しく触れますが、売れる営業マンは顕在ニーズをとりまとめるまでは同じなのですが、途中から「ところで・・・・このお車は何にお使いになるのでしょうか」(お客様によっては最初から)聞く場合もあるようです。
そうです。売れる営業マンは表面化したニーズを(顕在化したニーズという)取りまとめるだけではなかったのです。お客様の購入したい本質をヒアリングすることによって車種をワンランク上げたり、単価をアップさせたりしていました。
つまり、お客様の本質的なニーズを掴むことによって潜在的なニースを聞き取り、お客様さえ気づかないニーズを顕在化・共有し提案していたのです。こうしたことがわかってくれば後は、自分に転移できることは何か。。。ということです。ここまで来たらそう難しくはないですよね。
昔話で恐縮すが、極端な例で、私が営業チーフでトップを走っている時にその年に入社してきた新卒が「真似るは学ぶですから」と口癖のように私のトークや行動を真似し、その四半期は二人でMVPといただいたという事例があります。これは、たまたま私の顧客を引き継ぎだという事情もあり、うまくはまったのですが、良い例とは言えません。なぜならば、短期的には、私の営業の完コピで成果が出ましたが、自分なりのアレンジがなかったからです。そのままいくとお客様や状況などを考えない結果だけ求める人材になってしまいます。しかし、その後、自立し立派な営業そしてMGRになっていきましたので、大局的にみればよかったともいえるのでしょう。つまり、最終的には成功事例を自分なりに転移させることが重要なのです。
このように周囲にあるプラスになる情報を自分にインプットして完全コピーしたり、自分なりにアレンジするなどして活用できるかどうかも営業力の一つであると考えております。