クロージング力1(不安、躊躇などのネガティブ対処力)

 クロージング力とは、商談を最終的に締結させるために使う力を指しますが、もし、ヒアリングと提案にお客様が100%満足し、不安がなければ、商談を締結させる、または、強固にさせる、このプロセスは必要ないのですが、ヒアリング、提案が旨くお客様を満足させることができても、個人・個社の価値観や金銭感覚にもよりますが、理由のない抵抗をされることがあります。商談が早くまとまればまとまるほどこうしたケースが出てきます。このようなクロージング時に表出するネガティブな意識への対処をする必要があります。

 恐縮ですが、実際にあったネガティブ表出、私の例示です。個人の価値観や金銭感覚にもよると思いますが、私の場合、剣道の竹刀をいつも4000円前後で買っているのですが、非常に気に入った竹刀が6000円なら買いますが、1万円を超えるということでした。そこで考えてしまいました。何を考えてしまうかというと、すぐには、まとまりませんでした。つまり理由なき抵抗です。「剣道の竹刀は消耗品どうせ壊れる」「握りの太さ、軽さ、バランス今までにないフィット感がいい」「試合や強い相手と稽古する時など特別な時にのみ使用すれば良いのではないか」「今、気分が高揚しているだけの衝動買いだ」「今買わなかったら誰かに買われてしまうかもしれない」など買う買わないの天使と悪魔が頭の中でいったりきたりするわけです。皆さんにもご経験があるのではないでしょうか。最終的な結果としては9000円台にしていただけるということで購入に至りました。                                  いつも買っている価格は4000円。今回は高いけど非常に気に入った商品。値引かれる一押しで、いつも買っている価格よりも高いにも関わらず、機会損失も考えると得だという認識に至り決断したことになります。

 このように、ネガティブ対処力とは、購入額による損得、金額にみあった満足感への不安、理由なき不安を解消し、最後にお客様の背中を押す言葉、金額、企画、効果に対する正当性、お得感を再認識などの一押しによって決断が正しいともっていただけるための方略です。

方略1. 隠し玉パターン クロージングのプロセスでネガティブ意識が表出してきたときに、更なるお得なサービスや割引、おまけなどによる決断の正当性を後押し

方略2. 価値の認識パターン そもそも何のための購入だったのか、その購入によってお客様が思っていた以上の価値を得られると納得して一度は提案を受け入れたので、その中で一番大事にしている使用目的の実現性を思い出しだしていただき、視線のずれを修正、本来の価値を再確認していただく

方略3.方略2の逆で、この商品を買わなかった場合のことをイメージしていただくことで、購入しない事で元の不便さ、不自由さな今回の購入意欲の背景に目を向けていただくことによって購入の価値を再認識していただく

このようにクロージング時には、いくら良いヒアリングと提案ができたからといっても、必ずしも順調には進まない事があることを認識し対策をたてられるよう、提案前のヒアリングやそこから想定されるクロージング時の抵抗の対策をもってクロージングには臨んでいきましょう。

根本 豊