リレーション力

 コミュニケーション力の一つです。コミュニケーション力のイメージは人によってが違います。例えば、「初対面でも物怖じせずに接することができ」また別の人は「人と深く理解しあえることができる」などコミュニケーションが広義なニュアンスで使われますが、そのうちの一つで「他者との関係を長く維持することができる力」です。

 顔が広い、多数の友人知人がいる、そういう方が身に着けていることが多いのですが、名刺の数やSNSの友人の数はリレーションのとれた関係数ではないことはご存じだと思います。現代の名刺管理は個人ではなくシステムで組織管理なのでそういう意識も少なくなっているかとは思います。

また、このリレーション力は、二つにわけられます。一つ目はビジネスで長く繋がりを持つことのできる力、二つ目は人間的な繋がりを長く持つことのできる力にわけられます。

 1つ目のビジネスリレーションは、仕事の取引をするにあたって信頼できる相手であると思ってもらえることが前提です。ただこの信頼というものは相手によって変わります。例えば、1.1結果を出せることに対しての信頼が優先される、1.2真摯な対応や結果だけでなくプロセスなど全体的な視点が優先される、1.3課題解決に寄り添っていることが優先される、1.4すぐには回答できなくてもレスが早いなど個人的な仕事の価値観により仕事相手と信頼できるかを測るなどです。

  1.1のタイプは業者としての扱いがベースで仕事の結果をシビアに求め結果を出せる人を求め、出なか  った場合、厳しい評価がまっている極めてビジネスライクなリレーションです。仕事の方法はまかされるものの結果が出なければバッサリ切られるこのも少なくありません。従ってリレーションを持続させるにはひたすら結果を出す事です。

1.2は結果も求めますが、プロセスにも目を向けその対処対応に信頼を寄せるタイプです。この場合1.1とは違い結果がでなければバッサリリレーションを着られるこ可能性は少ないですが、多方面に注文やチェックが入ってきますので、引きすぎず出すぎず、プロセスありきの戦略戦術をしっかり立案遂行し結果を出してこそ信頼されます。

1.3は、2に加えて協働して仕事を進めてくれるプロジェクトのような場合にできやすいリレーションです。かなり深い情報のやり取りをするため、お互いの人間性が見えるので、お客様という関係性は忘れずに一線を引きながらお取引をしつつも人間的な対応対処することが肝要です。

1.4は、お客様が仕事をしている際に大切にしていることなど多様な価値観です。その担当者が思う仕事をする上で相手に求めるMUSTがある場合があります。これは相手によって違うので個人の仕事上の価値観を早く察知するしかありません。例えば、よくSNSに出ている社長は「今わからなくても、確認しますなどのレスが早い業者」とおっしゃってました。こうした個人の価値観は無論ストレートに聞くことも相手によっては悪くはないですが、その人の成功失敗体験、理想や必要最低限、モットーなどが背景にあることが多いので機会を見つけてヒアリングしてみましょう。

 2つ目人間的な繋がりという意味でのリレーションです。お客様の対象が個人や零細中小企業の場合、比較的お客様に重要視されることが多いと思います。私は営業マン時代に大手から個人事業主まで営業担当させていただいた経験がありますが、大手のお客様とも個人的なお付き合いで飲みにいくなどプライベートでお付き合いがありました。                                また、別な大手のお客様では結婚式の司会を依頼されたことや(元ブライダル業界なのでまったく苦にせずでした)加えて、個人経営の飲食の経営者の方とはお互いに当時の関係はなくなりましたが、家が近所であったこともあり、今でもお付き合いをしています。こうした関係になっても当時も仕事での結果は出していましたので、結果的に競合のブロックになったり、本音で仕事の話ができるので本質的な解決にも至り、ますます繋がりが強くなっていったという例示でした。

ただ、あまりにも個人的なリレーションが強くなりすぎて、個人の中が良いことと仕事は別となってしまっては本末転倒なので個人的つながりという視野のみになることは危険だということを認識しておく必要があるでしょう。

人間的な繋がりをもつことによるメリット

1.仕事の本音の課題や悩みが聞ける⇒本質的な解決に関わることができる

2.人間的な付き合いをすることによって様々なことを教えていだき、営業としても人間としても成長することができる⇒その後の付き合いや仕事に役立つ(私の場合様々な業界の話を深く知ることができたのでキャリアコンサルをする時に相手の話の理解や共感が早く⇒心を開いてもらいやすい、解決に近づくなどのメリットが私にもお客様にも出てきている)

3.競合との差別化要因になることがある⇒競合が営業に来てもブロックしてくれたり、競合優位な営業をされた際、教えてくれるリレーションがあると対策が立てやすい。

4.単純にお客様の会社にいくことや担当者に会うことが楽しくなる⇒以前在籍していた会社で売れる営業マンがモチベーション下がった時の対策として、「仲良くさせていただいてるお客様に訪問しアンケートや課題をいただくなどのお約束をとり会いにいく」そうすると気持ちが元気になっていくという話をする営業マンが少なくなかった。やや自己中心的な例ではありますがお客様もそれを許していただける関係性だったと解釈しています。(たぶん、今の若い人たちにはなかなか理解されないことかとは思いますが・・・)

5.お客様をご紹介いただけるという実利⇒営業の世界では結果が出たお客様には必須行動といわれていますが、よくお客様を社内外に紹介してくださるお客様がいらっしゃいました。

大きなメリットはこんなところでしょうか。

コンプライアンスやその企業の風土、男性女性などリレーションの取り方には注意ですが企業とはいえど窓口になるのは人間ですので、相手に注意を払いながら長く選んでいただけるようなビジネスリレーション力とヒューマンリレーション力をバランスよく持つことは、営業にとって重要なので列挙致しました。

次は、大題目の販売力を優先して書いてくださいとオーダーがあったので、他二つの大題目が途中なので次回から行動力力、情報活用力に戻って書きたいと思います。

根本 豊